- 豪邸の写真, , 全て,建築家:田井勝馬,日本, Photo of All, Architecture, JAPAN, Architect:Katsuma Tai
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Concept
◾︎旧市街地が形成した隣地との距離感 ⇦プライバシーの確保・視線を制御して包み込む外皮
鎌倉由比ガ浜の旧住宅地に建つ、若い3人家族のための住宅です。江ノ電和田塚駅から至近の距離にあり、メイン通りからは少し入った閑静な住宅街の一角です。敷地は、第1種中高層住居専用地域の法的規制が形成する比較的高密度な住宅街をイメージさせつつも、閑静な雰囲気を醸し出しているのは、やはり鎌倉ならではなのかもしれません。建蔽率60%、容積率160 %、計画地はまさにその中心に位置し、周囲には3階建ての住宅を目にしながらも2階建て住宅が隣接する環境であり、庭的な空地が少ない住宅街のイメージが印象的でした。
若い世帯にとって開放的で緑に囲まれた住環境を望みつつも、周辺建物からの視線をいかに制御するのかが今回の大きな課題となりました。そこでプライバシーを確保しつつ、周囲からの視線を制御しながら緑を感じられる装置として、建物周辺に外皮を設置しました。その高さを近隣建物の軒の高さと合わせたことは、周辺環境と同化させつつも内部空間を開放的にすることができると考えたからです。
◾︎街区の空間的な余白 ⇦空への抜け・内部空間からの広がり
この様な一見窮屈な住環境とも見えますが、よくよく周囲を俯瞰的に観察してみると、近隣建物との間にいくつかの隙間=余白があることに気づかされます。その余白は方位的な側面からも内部空間に陽の光をもたらし、1日の時間の流れを演出してくれる環境的装置と読み替えることができます。この様なさまざまな周辺余白と呼応した箇所にボイド空間を設けました。このボイド空間にはさまざまな機能が設定されています。玄関前には植栽を額縁の様に演出するフレームとして、また駐車スペースと併設したエントランスアプローチとして機能します。また隣地側にはプライベートな個室の連続として、庭やテラスとしての機能が付加され、2階まで伸びる高木植栽が上下階の連続性を醸し出しています。
◾︎光・風・自然との対話 ⇦ 大きな開口部・内部と連続した外部空間
このパノラマ的開放性は2階に設けた開口部の大きさによるものです。これが成し遂げられたのは、まさしく周囲に設置した外皮のなせる技とも言えます。そしてこの外皮の上部には、360度の空への開放性が確保されていて、2階リビング・ダイニング・キッチンの開放性とプライベート性を担保しています。
今回、2階にパブリックスペースを設けた最大の理由はここにあります。周辺環境と呼応しながらも開放性を担保することの一つの解を作ることができたのではないかと思います。
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Data
- 計画敷地
- 神奈川県鎌倉市由比ヶ浜
- 用途 Purpose
- 専用住宅
- 家族構成 Inhabitant
- 夫婦+子供1人
- 住戸戸数 Houses
- 1戸
- 階数構造 Composition
- 地上2階(1階;RC造2階;木造)
- 敷地面積 Lot Area
- 173.80m2 (52.57坪) (1870.77sqf)
- 建築面積 Bldg. Area
- 72.76m2 (22.00坪) (783.18sqf)
- 延床面積 Total Floor Area
- 135.46m2 (40.97坪) (1458.08sqf)
- 工期工程 Construction Schedule
- 設計8ヶ月/工事8ヶ月
- 意匠設計 Architectural Design
- 田井勝馬/柏原 創
- 構造設計 Structural Design
- 野村 基
- 照明設計 Lighting Design
- 岡本 賢/Ripple Design
- 施工会社 Constructor
- 株式会社システムC2
- Photo Photographer
- Seiichi Ohsawa Seiichi Ohsawa